補聴器を使うと聴こえが改善される以外にもメリットがあると考えられています。
補聴器を使うと聴こえが改善される以外にもメリットがあると考えられています。
一般に老人性難聴は高音域の聴力が低下すると言われています。
補聴器を装用することで高音域の音を補助することで聴力が低下している高音域の音が聞き取りやすくなります。
勿論高音域以外にも患者さんお一人お一人の聴力検査の結果に合わせて聴力が低下している音域を補助することができますので、今聴こえている音が大きくなりすぎる、ということは無く、聞こえづらい音を狙って補助することができます。
といった効果が期待できます。
耳鳴りは治療が難しい病気ですが、最近の研究で特定の音域の聴力低下が原因であることが指摘されています。
具体的には、例えば高い音の聴力が低下していると聞き取りづらい高音域の音を聞き取ろうとして脳が活発に活動します。
その結果、過度に興奮した脳の活動そのものが耳鳴りとして聞こえる、というものです。
勿論全ての方の耳鳴りの原因が特定の音域の聴力低下ということはではありませんが、聴力低下を伴う耳鳴りの場合は補聴器を装用し、低下している音域を補助することで脳の過度な興奮が抑えられ耳鳴りが減ったり、耳鳴りを感じなくなるようです。
2017 年7月、国際アルツハイマー病会議において、ランセット国際委員会が認知症の危険因子として難聴をトップに挙げました。
研究によると、難聴によって音の刺激や脳に伝えられる情報が低下することで脳が委縮し、神経細胞が弱くなり認知症の発症に影響するということです。
これは難聴があるから必ず認知症になるということではありませんが、難聴が認知症の発症要因になるということですので、補聴器を使って音刺激を入れることで認知症の発症リスク上昇を抑える効果が期待できると言えます。